「非特異的腰痛症の診方〜評価・治療の考え方と進め方〜」2017,4,29 レポート

セミナー報告

 

まず、大切なことは「療法士が触っていい状態か?」

明らかな問題は簡単ですが、“大丈夫”と、“大丈夫じゃない”の境界がかなり曖昧で、微妙なミスを犯し続ける危険性があります。

痛みの治療を進めて行く中で、「失敗しないための戦略と、成功するための戦略」の両輪が必要です。

 

 

テーマ
「非特異的腰痛症の診方〜評価・治療の考え方〜」

講師
棚原 孝志 先生
理学療法士
アップドラフト認定講師
沖縄総合健康情報サイト「めでぃまーる」編集長
https://medimarl.net/
たなはらの勉強部屋 管理人
http://boooo.boo.jp/

 

関東、九州、そして沖縄で主に運動器疾患の理学療法を中心に経験を重ねた棚原先生は、ネットによる勉強方法の展開や、沖縄県内における健康情報の浸透化を図るため、フリーランスとして新たな働き方を構築するべく活動しています。

 

情報量も豊富で、知識も深く、特に運営サイトである「たなはらの勉強部屋」の中でも取り上げられている臨床推論の考え方が非常に客観的でわかりやすいです。若いセラピストはまず、サイトを一読することをお勧めいたします。

 

セミナーの流れとしては、

1.非特異的腰痛症の評価に関する知識
2.疼痛検査の基礎(コンパラブルサイン、疼痛関連動作、運動検査)
3.四肢関節・体幹の運動制限パターンの紹介
4.非特異的腰痛症患者のマネジメント

といった流れで進められていきました。

 

詳細は、受講者のみの特典ではありますが、特別に一部紹介していきたいと思います。

 

そもそも、非特異的腰痛をどう評価して行くか?

 

 

腰痛の85%は原因が特定できていない理由は、①問診、②画像所見、③理学所見(神経学的検査)の概ね3つの検査から診断名の特定に迫っているからである。

これらの検査でやろうとしていることは、「多岐にわたる仮説を1つに絞りこむ」よりも、「命の存続や重篤な機能障害(損失)に関わる問題の除外」である。

 

療法士が患者を担当するときに、本来15%に入るべきだった患者(診断漏れ)が含まれている可能性があること。また、何もしなくても自然経過で良くなる可能性があること。これらを踏まえると、「原因を明確にすること」よりも、「症状を好転させること」が大事ではないだろうか。

 

 

これまで多くの臨床家、研究者が取り組んできても、まだわからないことが多い腰痛症。

仮に原因を突き詰めたつもりになっていても、結局のところは「言い切るのは難しい」というところに落ち着きます。

ですので、「原因」にこだわり過ぎずに、何が有効な反応を示すのかを1つ1つ丁寧に診ていくことの方が価値があると思っています。

そうやって蓄積された経験を、同じように取り組んできた人同士で共有できれば、私たちの臨床力は急加速して成長して行くと思います。

 

そのために、私ができる取り組みとして、今回のようなセミナーによる情報発信、インターネット上の無料サービスを利用した取り組みを行なっています。

この取り組みを通して、沖縄の若手セラピストがもっともっと成長できるように貢献したいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

UPDRAFT PHYSIO 公式HP http://g-hands.sub.jp/updraft/

今後開催予定のセミナー http://g-hands.sub.jp/updraft/seminar/

 

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